そばの道具 其の2 打ち棒
○打ち棒
「麺棒」ともいう。古式の手打ちの技術は、一本の打ち棒に麺帯を巻きつけては打ち伸ばすことにその意義がある。
今日も各地に古式にのっとった手打ちの技が継承されているが、そこに打つという手打ちの根元の意味をみることができる。
江戸においては、打ち棒3本を使って打つ江戸流ともいうべき技が創案され、これによって技術の質的向上が図られ、今日に至っている。
打ち棒の材質には、檜が最良とされ、その他、かし、ほおが用いられる。
江戸流に使用される3本の打ち棒は、巻き棒(120cm)が2本と、打ち棒(90cm)が1本で、太さは通常3cmどまりである。
打ち棒は細い方が麺帯の生地の密度が高くなり、表面が荒れず、肌がなめらかで粘着力のある麺帯に仕上げることができる。
そのためには、細さと同時に、ある程度打ち棒の材質の柔軟さと軽さが要求される。逆に太くなるほど、生地が荒れやすくなる。
打ち棒の弱点はソリで、いったんソリが生じてしまうと、元に戻らない。
選ぶ時には、どの部分から木取りされたか、節目がないか、柾目が通っているか見極める必要がある。
また、ソリを防ぐために、麺棒かけを設けるとよい。設置の場所は、直射日光の当たらない、温度差の少ない、湿気が遮断されていることが
条件である。
地方へ行くと、桐やかしといった材質のものや、太いものもみうけられ、その土地に伝わる打ち方によって、道具の変化がみられる。
【そばの基本技術 日本麺類業団体連合会 柴田書店より】











